不器用な幼なじみの恋

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咲『ご、ごめんなさい…心配かけて…』 罪悪感が 私を一気に蝕む。 良『いや、咲良ちゃんが無事で良かったよ。』 良太郎くんは にっこりと笑いながら言った。 颯『よーやく、ガキの子守りが終わったわ。』 聞こえてきたのは さっきまでの 優しい声ではなく 冷たく 私を突き放すような声。 そして 気づけば 繋がれていた手は離れていた。 颯『良太郎、ちゃんとコイツの手握っとけよ。じゃーな。』 そう言い 颯斗は私と目も 合わせずに行ってしまった。 まるで 夢でも 見ていたかのよう。 また 私達は 今までのような関係に戻るの? そんなの…やだよ。 良『咲良ちゃん…』 気づけば 私の目からは 大粒の涙がこぼれていた。 さっきまで あんなにも 温かくて幸せだったのに 今はポッカリと 心に穴が空いてしまった。 良『颯斗の事…好きなの?』 そう聞かれ 私は静かに頷いた。 良『やっぱりね。俺、ずっと咲良ちゃんの事見てたんだ。でも、君の視線の先には、いつも颯斗がいた。だから、なんとなく、わかってはいたんだよね。』 咲『良太郎くん…』 良『今ならまだ間に合うよ。颯斗を追いかけたら?』 ポンっと 優しく私の 背中を押す良太郎くん。 手から伝わる 優しい良太郎くんからの “頑張れ"のメッセージ。 .
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