誕生日の贈り物

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────────────── ─────────── ────────── ──────── ────── ──── ──  あれから、いったいどれだけ経った?  掛け時計は三時半になると、止まってしまった。  ──惨めだ。……すごく、みじめだ──。  でもここで、奴らの帰りを望んでしまったら負けだ。  私は、いつもみたいに歯を食いしばった。 「奴らは敵。私を苦しめて、私の死を望んでる」  根も葉もないことを、と笑うだろうか。  でも、私は奴らのせいで、こんなにも惨めになったんだ。  どんなに良いことをしても白い目で見られるから、私は人前で善行が出来なくなった。  少しでも失敗すれば、ほらやっぱり、と言われるし、いつまでもぐちぐち言われるから、あまり行動しなくなった。  私の考えをハナから否定するから、私は、自分の想いを声に出来なくなった。  何をしても裏目に出る。  誰も私の良い所なんて見てくれない。  そもそも、私に良い所なんて在っただろうか。  私は、自分に自信が持てなくなった。  私は、笑わなくなった。  こころは、まひしていった。  そんな事を考えていたら、自然と涙が出てきた。  次々と溢れる涙は、部屋を水浸しにし、私から酸素を奪っていった。  ────涙が心を癒してくれるなんて、うそだ。いつだって涙は、痛くて、苦しいじゃないかっ。  溢れた涙は、喉を伝って肺へと入り込み、私の息を止めようとする。  …………体さえ私を殺そうとするのなら、……私の生きる意味って、なんだ。  私の命を惜しんでくれるのは、いったい、誰だ。  ────くるしい……死ぬ…………  私の意識は、どんどん薄れていった。  そして、私は、  冷たい闇に、呑まれていった。
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