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「あ、うんそうだよ。俺の友達」
「え?彼女じゃないの?」
さくらって下の名前で呼んでるから、てっきり私は碧の彼女かと思ってた。
「…違うよ」
「……碧…」
碧が否定した顔が、寂しそうに笑った…ように見えた。
「…もしかして、私に似てるって言ってた子?」
「あ!そうそう。似てるって言ってた友達がさくら」
いつもの様にニコツと笑う碧。
話題をかえたかったってのもあるけど…確めたかった自分もいた。
多分…碧はこのさくらちゃんて子が好きなんだ。私が臣と比べる様に比べていた子が、さくらちゃん。そして、彼女じゃないと悲しそうに否定したのもさくらちゃん。
そしてそのさくらちゃんの指には、キラリと光るものがある。
それは、碧が失恋していると物語っている証拠だ。
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