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〈あ、亜稀南ちゃん?お休み中ごめんね〉
電話は、店長からだった。
「大丈夫ですよ。何かあったんですか?」
「頭痛い」
私は今店にいる。
「亜稀南ちゃん本当にありがとう」
この実ちゃんが急きょ風邪で休み、店長が私に助けを求めて来たのだ。
今の時間は店長とこの実ちゃんの二人シフト。誰かが出勤しないと、店長は休憩にもいけない。あのあと咳き込むこの実ちゃんからも電話きたし、仕方ない。けど…。
「大丈夫ですよ、店長9番入って下さい」
今日出勤になるならやけ酒なんかしなきゃ良かった。
「じゃあ9番行ってくるね」
休憩に入る店長を見送ったあと、お客さんが誰もいないのを確認してから私はキャッシャーの台につっぷした。
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