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「頭痛いー…気持ち悪いぃ…」
おまけに目も泣きすぎで腫れてるし、化粧のりも悪い。
「最悪…」
臣と別れてから、本当に最悪な事続き。
「亜ー稀南っチャン」
「うわっはいっ!」
いきなり名前を呼ばれ、私は大慌てでガバッと頭を上げた。
「コンニチワ。覚えてる?」
「あ…はい。リュウさんですよね?」
昨日、お客さんと一緒に来たホストさん。
「まだ昨日ご予約頂いた商品は届いてなくて…すみません」
私が頭を下げると、リュウさんは笑った。
「今日はワイシャツ買いに来ただけ。昨日のお客の子がここのお店…Jewel Crownが好きなら、彼女に会う時はここのシャツ着てたいから」
「凄い…」
プロ魂だなぁ。あの女の人にするように、一人一人の好みを把握して、覚えてるんだ。
「凄い?」
「あっ、ご免なさい。ワイシャツはこちらに、ご案内しますね」
私はキャッシャーを出て、メンズのワイシャツコーナーにリュウさんを案内した。
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