幼少期

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お母さんはつねにお家にいて、刺青を彫る仕事をしていた。 そんなお母さんも、顔以外の見える全ての場所に刺青があった。 綺麗な鯉や鳳凰が舞う右足。 登り龍が天に貫く左足。 背中には般若面を持った天女。 幼いあたしには美しく強く、優しいお母さんでしかなかった。 きっと腕のいい彫師だったのだろう。 家にはひっきりなしに見知らぬ男が来ていた。
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