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~登校中~
「なつみー。おはよう!!」
「陸先輩。おはようございます。」
「なつみは、今日の放課後…暇かな??」
「今日の放課後ですか?!慌てて、スケジュール帳を開く…。何も記されていない。今日の放課後は、空いてますよ。」
「俺…今日で部活辞めることにしたんだよねっ。」
<バサッ>
[なつみのスクールバックが歩道に落ちた。なつみの目には、大粒の涙…。]
「先輩。部活辞めないで下さい。」
「えっ…。なんで??」
「先輩が1番頑張ってきたのを知っているから…。」
「なんで、俺が1番頑張ってきたって解るの??」
「朝練も、部活中も…。ずっと、先輩の走る姿や、部活に熱心に取り組む姿を見てきたからです。先輩が出た大会は…全部見に行きました。そんな簡単に、部活を辞めるって言わないで下さい。」
「なつみ…。俺は、この先…。陸上をやっていける気がしないんだ…。どうしたら…いいのかなって思う事もある。どうしたらいい??」
「先輩の走りで元気になる人が沢山いるんです。私も、先輩の走りを見て笑顔になった1人です。先輩は先輩なりに悩んできたんですよね。辛い時こそ、笑顔で頑張る!!辛いって思ったら、笑顔になって下さい。きっと、前向きな気持ちになれると思いますっ。」
[先輩の目から…大粒の涙が零れていた。いつのまにか、私は先輩を抱き締めていた。]
「先輩…。辛いって思わないで。なつみは先輩の味方です。先輩ならできます。」
「俺…なつみの為にがんばるわ。今度の大会が成功したら、俺と結婚を前提に付き合って欲しい。返事は、今すぐにとは言わないからさっ。」
「私も、先輩と結婚を前提にお付き合いしたいと思っていますっ。だから、大会が成功しなくても、先輩とは付き合います。」「大会が成功してもしなくても、俺と付き合って欲しい」
「ちょっと…考える時間を下さい。これ…あたしのアドレスと電話番号…です。メール待ってます。」
《さすがに…気まずくなり無言が続いた》「(やばい。何かしゃべらなきゃ!!)」
[ポタッ]
「えっ…泣いている」
「なつみ…どうした?」
「何でもないです」
「じゃあ、何で泣いているの?」
「解りません」
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