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目を開けると何もかもが真っ暗で何も見えない
自分が地面に立っているのかさえわからない
何かを踏んでいる感触すら無い
だけど
何処か心地よい気がした
「止めて」
「え?」
何も無いと思っていたが、いきなり背後から声がした
振り返って見ると
「……な、なんだ?」
明らかに人間じゃない
真っ白な人型の女性のシルエットをした物が立っていた
顔には口とかも無くまるでのっぺらぼう見たいだ
そう、すべてが真っ白
そんな顔から真っ白な雫が流れている
真っ暗な世界に、雫が落ちたところだけ白く滲んで行く
「止めて」
涙を流しながら手を差し伸ばして来る
不気味な存在なのに
俺は何故か手を伸ばしていた
だけど、手が触れそうになった瞬間、女性のシルエットは手から徐々に消えていく
「信じてる」
「……あぁ」
何故だか、俺はその言葉を受け止めれた
女性のシルエットが消えた時、一瞬で周りの景色が変わった
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