第1章 

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『ヤバぃ…マジ具合悪いし…』 酒の臭いが充満したアパートの一室。 部屋の中の異常な寒さと自分の酒の臭いで目が覚める。 もぞもぞと布団から左手だけを出し 手探りで携帯電話をバッグから取り出した。 「うわっ…勘弁…。   四時って… また授業出れなかったぁ。」 彼女は小杉 宮(コサギ ミヤ)、19歳。 大学入学当初から、毎日酒を浴びるだけ飲み続ける日々。 そんな時、高校の同級生だった上川 秋奈(カミカワ アキナ)に “好きなだけ酒をタダで飲める” と誘われ何となく夜のバイトを始めてから5ヶ月。 すっかり昼と夜が逆転。 今では学生かお水、どちらが本業本職か自分でも分からない時がある。 この頃、季節は真冬の1月。 外は深く雪が降り積もっていた。
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