第1章 

5/20
前へ
/20ページ
次へ
…カッカッカッカッ… 午後8時前。 慣れた足取りで雪道の飲み屋街を10㎝はあるピンヒールブーツで歩く女。 腰の辺りまである長い栗色の髪はフワフワのウェーブがかかっている。 顔はかなり濃いめ化粧。 黒のショートコートの下に膝上20㎝のミニスカート。 下着が見えないのが不思議なくらいだ。 女は数時間前まで化粧が落ちた顔で煙草を吹かしていた… そう、彼女はミヤ。 まるで別人になったミヤは 前から歩いてきた仕事帰りのサラリーマンの団体とすれ違う。 男達の数人がミヤを見て振り返った。 ミヤはそれに気づきワザと腰を強調しながら歩く。 「ちょっとお姉さん。 今から出勤?」 『来た!』 心の中でガッツポーズを決め振り返る。 「はい。そうです。」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加