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…カッカッカッカッ…
午後8時前。
慣れた足取りで雪道の飲み屋街を10㎝はあるピンヒールブーツで歩く女。
腰の辺りまである長い栗色の髪はフワフワのウェーブがかかっている。
顔はかなり濃いめ化粧。
黒のショートコートの下に膝上20㎝のミニスカート。
下着が見えないのが不思議なくらいだ。
女は数時間前まで化粧が落ちた顔で煙草を吹かしていた…
そう、彼女はミヤ。
まるで別人になったミヤは
前から歩いてきた仕事帰りのサラリーマンの団体とすれ違う。
男達の数人がミヤを見て振り返った。
ミヤはそれに気づきワザと腰を強調しながら歩く。
「ちょっとお姉さん。
今から出勤?」
『来た!』
心の中でガッツポーズを決め振り返る。
「はい。そうです。」
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