流れ星

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俺は必死で金を稼いだ。 働いて、働いて。 新薬を開発する部署で、どこへでも行った。 金が欲しかった。 危険なとこへも行った。何でもやった。無駄だと思われる事だってやった。 調べて調べて、ありとあらゆるものを調べて。 癌を治癒する、微生物を見つけた。 聞いて驚け。 なんと、隕石が運んできやがった。 つまり、地球外生命体。 ははっ。 流れ星様々だぜ。 「あははははははははっ」 俺は笑った。 笑うしかなかった。 なぁ母ちゃん。 俺、世紀の大発見しちゃった。 この微生物を使えば、末期でも治癒出来る。 もう誰も、癌で死ぬ必要なくなったんだ。 なぁ、すげぇだろ? 「見てくれよ、母ちゃん。 俺、ノーベル賞なんか取っちゃったよ」 俺のおかげて助かったと、感謝の手紙をくれる人が後を絶たない。 「なぁ、明日テレビの取材が来るんだ。 こんなスーツで良いかな? 俺キマってる?」 母ちゃん。 俺は、仏壇に笑い掛けた。
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