18人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
西暦2101年
二十二世紀の幕開けの年に僕は産まれた。
感情をもつロボットとして。
僕に家族はいない。
感情をもつロボットはKシリーズと呼ばれ、高齢化社会の中老人達と共に暮らし世話をしたり、忙しい家庭で子供の世話を焼くために売られた。
僕らは人に限りなく近く作られた。
人工皮膚で覆われた肌は柔らかいし、ちゃんと毛髪だってある。
でも違うのは体の中身。
僕の中には血管や内蔵じゃなく電子部品やコードが入っている。
それに感覚もない。
音や物を見たり出来ても触覚や味覚はない。
それは、僕ら道具が感覚に惑わされないようにするためだった。
災害時などに人を助けるのに痛みがあっては助けられない。
それに、僕らのエネルギーは基本的にバイオエタノールだから味覚も必要ない。
そういった要素が混じりあって僕らは産まれた。
感情のあるロボットとして
最初のコメントを投稿しよう!