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922号室へ術後の容体をベットごと運ぶ僕。
全身麻酔が効いているみたいで、熟睡してはる。
多分、今やったら何しても気づかへんやろうな。
「何しても」ってなんやそれ。
あかんあかん。相当疲れてるみたいやな。
謎の妄想をブバッと吹き飛ばし、偏ってしまった身体をベッドの中心に寄せるのに、骨っぽい背中に手を回して自分の方に引き寄せる。
「わっ、軽っ…」
衝撃の体重に思わず硬直。
すると、寝ているはずの左手に左腕を掴まれてグイッと引っ張られた。
「ヒナァ…」
「ひな…?」
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