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「これ、暇つぶしに」
俺が渡したのは成人向け雑誌。
こいつ、コンビニ入るたびにチェックするくらいこうゆうのに目がないねん。
「ありがとぉ~…と言いたいところやねんけどな」
「どしたん?」
「利き手じゃないと、ちょっとこお…」
「うはははは!そっかそっか。右折ってもうたからな!」
「生殺しや」
「ヒャーッ(引き笑い)」
「ヒナちゃん、モノは相談やけど」
「なにぃよ」
「テンガ買うてきて♪」
「ふははは!わかったわかった。妖怪シモネタは健在やな!今度来た時持ってくるわ。」
「今度っていつやねん」
「ん~。あさって、かな」
「明日来てぇ」
「明日はあかん」
「なんでや!」
「仕事でなぁ」
「お前はいっつもいっつも仕事やな!」
「ごめん」
俺の顔見て固まってるすばる。言いすぎたっちゅう顔しとる。
「ヒナ、こっちこそごめん。言いすぎたわ。せっかく見舞いに来てくれたのに」
「ううん。ええねん。俺が無理に仕事頼んでこんなことになったからな」
「そうやな!」
「否定せえよ!」
俺たちが笑い合ってるさ中、白衣の男がおずおずと病室に入ってきた。
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