112人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
「あのぅ…」
アホの変態看護師は切り出し難そうに俺に訊ねるんで、気さくに答えたる。
「なんや?」
「”ひなさん”って誰ですか?」
「ん?俺や!」
「えっ!そ、可愛いすぎやないですか?」
「可愛いすぎってなんやねん!あだ名は周りの奴らが名付け親やねんからしゃーないやろ?なんでかは説明すんの邪魔くさいから、暇な時にすばるに聞けよ。あ、もうええ時間やな。ほな、そろそろ帰るわぁ」
「え!ヒナ、もう帰るん?」
寂しそうな顔をするすばる。
「明後日来るがな」
俺はまっすぐ切りそろえられたすばるの前髪を、右手でがしがし乱して笑った。
笑った門には福が来るからな。
「じゃ、すばるのこと頼むで!」
妙に複雑な顔しよるアホの肩を叩いて、俺は次の仕事先へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!