HINA CHAN

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「あのぅ…」 アホの変態看護師は切り出し難そうに俺に訊ねるんで、気さくに答えたる。 「なんや?」 「”ひなさん”って誰ですか?」 「ん?俺や!」 「えっ!そ、可愛いすぎやないですか?」 「可愛いすぎってなんやねん!あだ名は周りの奴らが名付け親やねんからしゃーないやろ?なんでかは説明すんの邪魔くさいから、暇な時にすばるに聞けよ。あ、もうええ時間やな。ほな、そろそろ帰るわぁ」 「え!ヒナ、もう帰るん?」 寂しそうな顔をするすばる。 「明後日来るがな」 俺はまっすぐ切りそろえられたすばるの前髪を、右手でがしがし乱して笑った。 笑った門には福が来るからな。 「じゃ、すばるのこと頼むで!」 妙に複雑な顔しよるアホの肩を叩いて、俺は次の仕事先へ向かった。
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