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「爆発しそうやねん」
切なそうに僕を見上げる顔は、殺人的に可愛い。
「僕で、ええの?」
「まるがええ」
さっきまで駄々をこねていた小悪魔は、一変して嬉しいことばかり言ってくれる天使に変わりはった。
「さわって」
と言うや、自由のきく左手で僕の腕を掴み、自らに導いた。
「あっ」
服の上からでもわかる膨張に、思わず声をあげてしまう僕。
「なんでお前がそんな声出すんや!」
「や、人のン触るなんてそうそうないし…」
「ええから、はやいとこ」
「ちょ、ちょっと待ってな!」
僕は廊下を見渡して人の気配を確認した後、部屋に鍵をかけ、手術用ゴム手袋をはめて、タオルやペーパーやなんやかやを持ってご主人様のもとに戻る。
「ゴム手するんや。色気ないな」
「や、衛生上。僕の手ぴちゃーってしてんねん」
「あはは、そうなんや。好きやで、そうゆうの」
笑ってはる暴君の前をくつろげ、恐る恐る手を忍ばせる。
「じゃ、失礼します!」
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