112人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
午前四時、交替のタイミングを見計らってナースコールを押す。
出たのは、予想通り、京都訛りのあいつ。
「どう、しはりましたか?」
相手の気を引くように、わざと押し黙る俺。
「すばる君?」
あかん。
お前、そんな声で俺の名前呼んだらあかん。
「まる…」
想定外に感情がこぼれてもうて、失敗したなて思てると、ちょっと乱暴にナースコールが切れた。
廊下から忙しない足音がだんだん近づいてきて、俺の部屋の前で止まった。
最初のコメントを投稿しよう!