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ヒナの足がシーツの上で右へ左へ動く。
狭いベッドやから、隣の俺にどうしても当たってくる。
「おい。なにしてんねん。お前はホンマに育ち悪いな」
「んぅ?当たった?ごめんごめん。シーツのな、冷たいとこ探してんねん。気持ちええよ」
わからんでもないけども。
でも、31のおっさんがやることか?
「って、コラ!何してくれてんねん!」
「ふはっ!一番冷たいのン、見つけたわぁ~!」
ヒナはその細くて長い足で、俺の冷えた足を挟んだ。
「お前、めっちゃあったかいな」
「ええやろ」
「ええっていうか…どんだけしんちんたい○△×♂…」
「ひゃーっ!噛んだ噛んだ!アサイチ噛んだ!」
「______。」
「横山さん、なんて?○ん○ん代謝?」
「ちゃうわっ!もぉ、足離せや!」
「嫌や。離したら、あんた出かけるやろ?」
「出かけるわ!なんのために東京(こっち)来た思てんねん」
「何時?」
「7時に出たい」
「おっけぇ。じゃ、ちゃっちゃと支度せえや。手伝ったるわ」
そういうと、ヒナはパッと俺の足を解放した。
なんやねん、ちょっと寂しいやんけ。
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