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「今日の予定は?」
「午前中、3件回ったら一回会社戻るわ」
「ホンマ?なら、昼飯一緒に食お!俺、アポ午後からやねん」
「___イヤ。あかん」
「なんでやねん」
出た。
シンプルな『なんでやねん』。
「すばるンとこ見舞いに行くねん」
ヒナはちょっと残念そうな顔したけど、すぐに立ち直って笑顔を見せる。
「そっか。ならええわ。ホイ!でけた!ウィンザーノットや!」
ヒナは首を絞める勢いで結び目をあげる。ちょっと苦しいけど、お礼はちゃんと言うで。俺、大人やから。
「…ありがとぉな」
それ聞いて満足そうに笑ろてるヒナ。
なんやねん、かわいいやんけ。チュッチュしたろか。
「あんた、ネクタイちゃんと締められるようにならなあかんで?」
「俺はできんでもええねん」
「なんで?」
「お前がやってくれたら、別にそれでええやんけ」
ヒナは最初ポカンとして、その後弾けるように笑い出した。
「ふはははははは!なんやねん!」
俺をバシバシ叩くヒナちゃん。
痛い、正直。
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