ええじゃないか!

5/8

112人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
「ほいじゃ、行くわぁ」 後ろのヒナに靴べら渡して立ち上がると、 「ヨコ、忘れてんで」 なんて言う。あれ、なんか忘れてたか? 「携帯、鍵、財布。三種の神器、ばっちり持ったで?」 振り返るとまだ半裸のまんま、常套句のような笑顔で仁王立ちしとるヒナ。 「アレやんか、行ってらっしゃいのヤツやんか」 うわ。 何言うてんねん。頭沸いてんのか? 「____せぇへんわ」 ドアノブに手をかけると、ヒナは慌てて俺の腕を引く。 「しよっ!な、ヨコ、しよっ!!」 「なんやねんな、もぉ~!」 強引に顔を両手で掴まれた玄関先。 唇と唇が重なる前に、立派な八重歯が俺の歯にぶつかった。 「痛っ___ヘタクソかっ」 「ごめん!もっかい!」 「あかん!もう出る!」 「じゃあ、帰ってきてから続きな!」 「―――――。」 悪びれもせずに、まっすぐ俺見るコイツには、多分、一生勝たれへんわ。 「すばるによろしくなぁ」 「おぅ」 「あっ、そうや!」 「今度はなんじゃ」 「エ○マグラってなんなん?」
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加