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僕らは当たり前のように小さな布団の中で体を合わせた。
肌と肌が触れることがこんな感触のするもんなんか、体温を指先だけやなくてお腹や腕の広さで受け止めることが、こんなにも全てを交換するような気持ちになるんかと、多幸感に泣きそうになった。
「まる…もう、ええから―はよ…」
「―――すばる君が痛いんやで?」
「痛くてええから…」
好きな人の目を近くで見つめることがこんなに嬉しいなんて、思ったことなかった。
「あかんよ。ふたりで気持ち良くならな、あかん」
震えるような思いですばる君の背中に這わしていた手のひらを慎重に下ろしていって、同じところを何度も何度も撫で回した。
「ぁ___まる…っ…」
喘ぐ唇を塞ぐように重ねて、すばる君の中にゆっくりと押し入った。
蠢くような狭い内側が僕の先端を包み込んでくれた。
熱かった。
首や背中にしがみつく小さな手のひらを感じる度に、目の眩むような興奮と快感で、僕は気を失いそうやった。
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