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922号室の渋谷さんが運ばれてきたのは深夜やった。
えらく関西弁のキツいサラリーマンが付き添いで来てはったけど、日付が変わる頃に帰って行った。
多分、同僚の方なんやろ。
僕はちょうど準夜勤と夜勤のぶっ続けやったから、疲労も困憊やし、同僚のお姉様達もやたらと嫌がるし、もうなんでもええわって、勢いで担当になったんやけど。
引き受けて正解!
もともと節操がない性分で、可愛かったり、きれかったりする人にテンション上がりがちやねんけど。
「すばる」っていう綺麗な名前の患者さんは、名前の通りの可憐な方やった。
ちっさくて、めっちゃ細くて、折れた腕が痛々しくて。
なぜか、『この人は僕が守ってやらなあかん』って思った。
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