2章覚醒

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「え………。」 メルは呆気にとられるような声を出してしまう……まるで兵のやる気を奪うような声だ。 ジャスティスは右手に持っていた刀を手放すと、その右手をどぶねずみの胸に突き立て、軽々縦に引き裂いたのだ。 「う…そ……。」 ジャスティスの右腕は、まるで黒い光沢に包まれているようだった。 悪趣味な鉄爪の手甲のようにも見えたが……それが〝ジャスティスの手〟だと解るなり、頭の中が真っ白になってしまった。 「燃やして………。」 ジャスティスがその鉄爪に似た右手を高々とかかげ、そうつぶやく。 刹那。
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