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「おい」
いつの間にか近寄ってきていた傲慢な男は、私の顔を掴んで自分の方へ無理やり向かせた。
「な、なにしゅんのよ!」
そう訴えかけると、私の顔を見たこの男はぶはっと笑いだした。
さらに怒りが増した私は、この男の手から逃れようともがいた時、後ろから別の誰かの手が伸びてきてあっさりと男の手から遠ざけられた。
「こら、輝。女の子の顔を掴むのはやめなさい。」
顔だけを振り向かせれば、そこには結城先輩が立っていた。
「ゆ、結城先輩!?こ、こここんにちは!」
慌てふためいて挨拶すれば、にっこりとした笑顔で挨拶を返してくれた。
結城先輩に背中を預けるようにもたれかかっていれば、周りから嫉妬のような視線が送られてきた。
そう、結城先輩のファンの方たちの視線が送られてきていた。
慌てて離れて挨拶をして、望と一緒に後者の中へ駆け込んだ。
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