第一話 お近づき

2/3
前へ
/5ページ
次へ
「ひーめか、おはよー」 後ろから、聞き覚えのある声が聞こえて振り向いた。 そこには車から降りた親友の希がいて、あたしに向かって駆け寄ってきた。 「おはよー、希」 相変わらずの高そうな車に苦笑が出てきた。 庶民のあたしにとっては、その車が眩しかった。 「あ、あれ輝くんじゃない?」 その名前に、ピクリと反応した。 顔を引きつらせながら振り向けば、いつものことながら周りに女の子を引っ付けて歩いている。 じっと見ていれば、あたしの視線に気づいたようにこちらを見た。 ふんっと嘲笑うかのような態度に、腹ただしくなって目を逸らした。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加