第2章

2/2
前へ
/4ページ
次へ
今日は高校二年生の 夏休みの始まりとなる終業式。 私はいつも通り6時に起きて、 洗面所へと向かった。 『誰かいる部屋』と 『誰もいない部屋』を横目に見るなり 私はすぐさま顔を濡らした。 やりきれなさを拭えない この苛立ちをどうしてくれようか。 タオルを洗濯カゴに投げ入れた。 ダイニングテーブルのパンを 手にとって口へ運ぶ。 無味。 味なしロールパンに ジャムを付ける気力もない。 無気力。 食べたくもないものを 無理やり押し込むのは得意だ。 私は私に買われたロールパンを 哀れだとさえ思った。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加