第1話

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電話を切って素直にベッドに潜り込んだ。 テーブルには飲んだビールの空き缶がまだ散らばったまま。 電気もついたまま。 それでももう寝たかった。 いつになったら慣れるんだろうか? たった半年一緒にいただけなのに。 もう別れて半年以上経つのに…… いつまで私はこの淋しさに身体を丸めて眠るんだろうか? 忙しければいい。 なにも考える暇がなければいい。 そう思いながら無我夢中で仕事をした。 仕事に逃げたと言われてもいい。 後悔しないためにと別れたのに、結局どっちにしても後悔するはめになった。 今更どうこう出来る事でもない。 背中を押してくれた彼の為にも頑張らなくてはいけなかった。 彼が幸せなら…… はぁ、私はそんな大人な女を演じることなんて出来ない事に気付かされた。
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