第1話

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「どうしたん?」 「よっ! どうよ? 業務成績3位の支店のチーフさん」 「見ての通り」 「忙しそうやな」 「うん。でもやりがいはあるよ」 「来てよかったか?」 「うん。今からお昼やけど一緒に外でる?」 「旨い店連れてって」 「了解」 突然現れた元相棒。 嬉しさと驚き。 久し振りに会うのに、昨日まで一緒にしていたかの様な空気に何故か力が抜けた。 お昼時のオフィス街は今日も賑やかで、OLやサラリーマンが足早に通り過ぎて行く。 少し汗ばむ陽気にふと空を眺めた。 いつ見てもなれない少し灰色がかった空の色には慣れなくて、小さなため息が漏れた。 隣を歩く相手との歩調が少し違う事に気づき、漏れたため息をかき消す様に笑いが漏れた。
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