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そんな敵の猛攻に対し、左舷に位置する梅太郎達の機銃座も必死でこれに応戦していた。
戦死した小島二兵曹の配置には梅太郎自らが就き、同じく戦死した香川一水の分まで松本一水、佐竹一水の両少年兵は弾薬の装填を急いだ。
上空からは、艦爆隊のヘルダイバーが急降下爆撃を繰り返し、アベンジャー雷撃機は海面スレスレの低空から侵入を試み、果敢に雷撃を行っている。
敵の断続的な攻撃は、こちらの応戦に怯む事なく続き、命中弾や至近弾により大和の対空戦闘力は次第に疲弊し低下して行く。
しかも尚、敵雷撃機は攻撃の手を一切緩める事などせず、大和の左舷目掛け雷撃を集中させる。
大和の対空放火も、何機かは敵機を撃墜するものの、既にその数はこちらの対処能力の範疇を遥かに凌駕していた。
至近弾により、幾つも立ち上る水柱、複数の雷線が大和へと襲い掛かる。
それらを必死に回避し、被害を何とか最小限に食い止めながらも大和は応戦を繰り返す。
艦隊の中で、未だ健在な冬月、雪風、初霜、霞の駆逐艦は、大和を護る為に機銃も焼け付かんばかりに必死に奮戦する。
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