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敵の第二陣がまだまだ攻撃を続ける中、第三次攻撃隊が戦闘海域へと到着し、第二艦隊に止めを刺そうと攻撃を開始する。
今度の攻撃隊も大和の左舷へと回り込み、そこへ断続的に攻撃を集中させて行く。
他の残存艦艇には、一切見向きもせず、敵はひたすら大和にのみ襲い掛かる。
梅太郎達の機銃座も必死に応戦していたが、敵機の激しい攻撃により皆、傷付き倒れて逝った。
大石二兵曹は、爆発の破片を受け、頭と腕を負傷し、松本一水、佐竹一水の両少年兵は敵機の機銃斉射により若い命を散らした。
もう、満足に動けるのは軽傷の梅太郎一人しかいなかった。
さらに大和は、数本の魚雷を受け、左に大きく傾斜し始める。
有賀大佐はさらなる注水を指示したが、大和は既に中央防水区画にも注水しており、注水出来る区画は残されていなかった。
理論上、中央防水区画が浸水しなければ、大和は沈まない仕組みに出来ていたが、その中央防水区画が今や海水で一杯なのだ。
もう、大和には自力で船体を復元する力も残されてはいなかったのである。
「もう、この辺りで、よいのではないでしょうか?」
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