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何はともあれ性欲だ
エネルギーの源は性欲なのだ
彰博士は発見した、20年の研究の成果がいま結実したのだ
何は膨れ上がり痛いほどに固くなった
助手の皆内くんは不快でしかたなかったので
部屋を出ようとした
皆内くんどこにいくかね?
みつかった!皆内くんは自分のふがいなさにがっかりした。止めどなく奈落の底に落ちたルシフェルのように…
あたしも堕天してしまおうか
そのとき博士のなにがピクリと動いた
きみ、なにも落ち込むことはない
気持ち悪!とは思ったものの皆内くんは言葉を返した
い、いえ、落ち込んでなんか…
いいんだよ、隠さなくてもこの天才の偉業を目の前にしたら自分がちっぽけに見えるだろう
皆内くんは生まれてはじめて殺意というものを覚えた
お父さん、お母さん、ご先祖様、神様、宇宙の全ての生命に許しを乞う!私は今日堕天します。
そんなに深刻に考え込むことはない、私のような偉大な天才でも一人ではなにもできんのだよ。キミのような人間の助けもあってはじめて偉業を達成できるのださ、いつものように胸を張ってさらけ出しなさい
彰博士の手が皆内くんに延びた瞬間、彼女は堕天した。
近くにあったマッサージ機を手に取り、なんども、なんども、博士のあたまをなぶり続けた!
皆内くんが気付いたとき彰博士は既に昇天してしまったあとだった。
腰の抜けた皆内くんはそのまま気を失いその場に倒れこんでしまった。
時間が止まった部屋のなか、博士の何だけが永遠に脈打つのだった。
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