第1話

成行

　パート先でも些細な食い違いから、酷く職場の人間を嫌悪し遠ざけた。結果、私が悪者となり辞職せざるをえなかった。

　私が悪いの？こんなに我慢をしているのに。自由に自己中心的に振る舞う人達が正しいの？

　そう思った。けれど、自分でも理解し難いのだが、私は吹っ切ってしまう。

　解ってもらいたいとは思わない。だから、あなたたちのことも解りたくない。さようなら。

　それだけだった。歩み寄る気持ちの無い者同士は、それが当たり前なのだと諦めた。私がいくら歩み寄ろうとしても、相手がそうしてくれなければ和解し合えない。

　だから、というわけではないのだが、離婚してからの私には、次々に男が群れを成す。それは、楽だから。そして、其なりに綺麗に保っているから。

　今の一番のお気に入りは、良介。会おう、はヤろうってこと。解りやすいし、会えば有無を言わさずホテルへ入る。休憩二時間。食事も会話も無い。

　なのに、とても、凄く、楽なのだ。