素直になれなくて

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「え?2枚買うの?」 不思議そうに聞いて来た美杏に へらっと笑ってレジで精算を済ませ どっちもプレゼント用に 梱包して貰って。 薄いピンクのストールが 入った方の包みを美杏に 差し出した。 「…何?」 「お前は薄いピンクが めっちゃ似合うから」 「え??」 「昨日のドレス、 むちゃくちゃ可愛かったで」 その言葉で 一気に頬を染めた美杏の姿に 思わず笑みが零れる。 素直な時は、ホンマに カワイイんやけどなぁ…。 そう思いつつ渡した包みを 嬉しそうに受け取った 美杏を見下していた。 「…あ…ありがとう…」 「おう。 腹減ったわ、そろそろ昼飯行くか」 「…うん」 大人しくなった美杏に クスッと笑って、 その手を再び握りしめる。 まだ微妙な関係やけど。 無性にスキンシップしたくて。 あかんな俺。 もうすっかり美杏に 惚れとるやんけ。 飛行機の時間まで あと2時間。 朝は5時間もあるやんけと 思ったのに、 もう2時間しか残ってへんのが 無性に寂しく感じていた。
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