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昼食を取りながら
メアド交換やらしていたら
あっと言う間に2時間なんて
過ぎ去って。
美杏に連れられ、
空港に行くと、
もうすでに東雲部長と
前島チーフは待ち合わせの
ロビーで冬木夫妻と
談笑していた。
「香港は楽しめたか?」
穏やかな笑みを見せながら
声を掛けてくれたのは
冬木支社長。
「ええ、おかげ様で」
「それは良かった」
小野部長の結婚式で
初めて会った冬木支社長やけど
噂では聞いていた。
前島チーフの元カレやって。
せやけど、冬木支店長も
その奥さんも穏やかな笑みで
東雲部長と前島チーフを
見つめていて。
…みんな大人やな…。
そんな事を思いながら
搭乗手続きを終えた。
「ほんじゃ美杏、またな」
アッサリ言ったのが
気に入らないのか微かに
頬を膨らます美杏。
…ホンマに分からん女や。
「なんやねん」
「別に」
「言いたい事あるなら
言わんかい」
「何もないわよ」
…全く…。
最後までそんなんかいな。
でもこの5時間で少しだけ
分かった美杏の性格。
コイツはホンマに素直になれん
大阪生まれの女やから。
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