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顔を背けて膨れる美杏の
耳元に唇を寄せて。
「次に香港来た時は
セックスしよーな」
その言葉にボンッ!って
美杏の頭が噴火したのが
ハッキリ分かった。
「…ホントに橋本って…」
「サイテー、やろ?」
笑いながら言った言葉に
美杏はブッと吹き出して
笑い始める。
「もう!」
ポカポカと俺の頭に
猫パンチかます美杏に
俺も笑いながら。
それでもちゃっかり
次の約束。
「8月の盆休みにまた来るわ。
それまでに心の整理しとき」
「…バカじゃないの?」
「はいはい。
ほんじゃな、仕事頑張りや」
よし。
俺、完璧やろ?
最後はビシッと決めて
東雲部長たちと
搭乗ゲートをくぐった。
飛び立った飛行機の
小さな窓から離れて行く
香港の地を見下しながら
これから始まる俺と
美杏の関係は、
きっといい方向に
進んで行けると信じていた。
遠距離恋愛を乗り越えて
幸せを掴んだ東雲部長と
前島チーフのように…。
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