2862人が本棚に入れています
本棚に追加
慌てて吉野のために
入れたコーヒーを片付けて、
乱れていたベッドを元に戻す。
…俺、何やっとんねん。
そうは思っても、
さっきまでここに吉野が
いた事を東雲部長に
気付かれたくなくて。
ようやく吉野の痕跡を
消し去った所で
玄関のチャイムが鳴り出した。
急いで玄関のドアを開けると
コンビニのビニール袋を
手に下げた東雲部長が
ニマリと笑みを浮かべて
立っていて。
「どないしたん、部長。
前島チーフと喧嘩でも
したんかいな」
俺の質問に部長は
爽やかな笑みを見せて答えた。
「たまには橋本と
飲んでみたいと思っただけだよ。
香織とは相変らず
仲良くやってるから心配無用」
「…あーそーですか。
ま、狭いトコやけど」
なんやらせわしい夜やな…。
そう思いながら東雲部長を
リビングへと通して。
部長が買って来てくれた
ビールの数とつまみの豪華さに
若干引きつつ乾杯した。
「ふーっ…
やっぱ仕事上がりのビールは
美味いなぁ橋本」
満足そうに笑う東雲部長に
俺は首を傾げる。
…この人何しに来たんやろか?
最初のコメントを投稿しよう!