44人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただなぁ」
メリエルはため息をつきながら言う。
「どうしてこう、いい奴がいないんだ?」
メリエルはまるでふてくされた子供のように頬に肘をつく。
「貴女の基準が高すぎるのよ」
「だがあの程度アカデミーでは当たり前だったじゃないか」
はぁ、とため息をついてアレスタは話す。
「私達の時はね。アカデミーも大分レベルが落ちたのよ。今の世はそれほど危険じゃないから」
「そうなのか?…まあそれは後にして、今は誰が残ってる?」
「えーと…貴女と私以外はみんな仕事中」
「そうか。久々にアレ行こうと思ったんだが」
メリエルはうつ向いた。対してアレスタは気分良さげに話しかける。
「アレって例のアレ?」
「ああ。」
「なら二人で充分よ!さあ、行きましょう!よ~し、今日も張り切っていくわよ~!」
メリエルはアレスタが張り切っているのに驚きを隠せない。
「お前…いつも嫌がってなかったか?」
「今日は別!さあ、いいのが見つかるといいんだけど…」
そう言って二人はオフィスを後にした。
最初のコメントを投稿しよう!