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―――数時間前。
メリエルとアレスタは着飾って夜の街へ出ていった。
メリエルは淡い赤の少々露出の多いドレス。髪はアップにしてある。対してアレスタは綺麗な水色の可愛らしいドレス。露出も少なく、胸にはパールのネックレス。だが二人とも武器は隠し持っている。メリエルは今回は脇差という小刀だけ。アレスタはドレスの下にサバイバルナイフと二人とも九ミリ型小型拳銃を太股に隠してある。
二人の言っていた【アレ】とは【シリング・ウィズ社】のエージェントのスカウトの事だ。
時折メリエルは部下を引き連れて自らスカウトに出ていく。彼女としては単に使える者を探しているだけだが、気付かずに違法バーにてスカウトを行おうとして殺されかけた事があるアレスタはあまりこの事に気分がのらなかったが今日は普通のバーだというので少し張り切っている。それに単純に人手不足を解消したい。それだけだったのに――――。
数時間後
「…なんでこうなるの…?」
アレスタは小さなため息をついた。メリエルはどこか嬉しそうだった。
「…メリエルどうする?相手はどう見ても機関銃とライフル合わせて10…」
メリエルは実に楽しそうに笑う。
「相手はこちらに気付いていない。気付かれないよう接近してまず私が先に出る。銃での援護頼んだ」
「…了解」
メリエルとアレスタはゆっくりと男たちに近付いていった。
後少しの所でメリエルが止まった。
アレスタに合図を送る。
アレスタは太股の銃をホルスターから取り出した。
GO!
メリエルは脇差の柄に手を当て男たちの中に飛込んでいく。人質をとろうとしていた男たちは飛込んでくるメリエルに遅れて気が付き、銃を連射するがメリエルは颯爽と避けていく。その間にはアレスタの的確な銃弾が手に当たり男たちは銃を落としていく。
一人の男がメリエルめがけて飛込んできた。メリエルは慌てる事なく男を斬り捨てる。
今のは気絶させるだけの峰打ちだ。
その間にもかかってくる男に回し蹴りと肘打ちを男の溝打に叩きこんだ。
残っている男は――あと3人。
余裕だと思われたその時。
「きゃああぁ!」
女性の悲鳴が上がる。
「おい、女!コイツを殺されたくなかったら武器を捨てろ!」
男ががなり立てる。
アレスタとメリエルは武器を投げ捨てた。
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