活動内容について

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2 うちの学校は、文化系も体育系も関係なく部活動が盛んなため、部室棟という建物は常に他の部で埋まっている。なので、部室棟に収まることができなかった部は、放課後の空き教室を部室として利用するしかない。しかし、思った以上に部室棟からはみ出た部が多く、空き教室はすでに埋まっていたらしい。そして、唯一奇跡的に空いていた教室は、美術室の準備室。そこを拠点に、『青春同好会』は活動することとなった。 「そういやさ、俺たちの部の活動内容って、まだ決めてなかったよね?」 美術室までの階段を上りながら白崎が、ふと思い出したように口を開く。 「同好会の名前の通り、青春らしいものでもするのかな?」 ……青春ねぇ。 「例えば?」 「変なところにツッコムねー…。そうだなぁ…。あっ、海に行ってスイカ割りとか!」 「……ありきたりだな。ていうか、それ青春といえるのか?」 「……俺の中では青春なの!」 耳まで真っ赤になって言う白崎を見て、俺は「ぷっ」と思わず吹いてしまう。 「ちょ、そこ笑うところ?! てか、そういう深堀はどうなんだよ? 何か青春らしいことって、思いつける?」 美術室のドアを背にして、白崎が人差し指を俺の胸元に突き立てた。その反動で足を一歩後ろに引くと「邪魔」と、背後から声がした。振り向くと、そこには、端正な顔立ちをした背の高い黒髪の短髪の男子生徒が、真新しいパレットと筆の入った小さなバケツを持って立っていた。
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