活動内容について

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「あ?」と、言いたそうな目で、男子は白崎へ目を向ける。 二人の間に、すっと弥生が入りニッコリと笑う。 「僕の双子の弟で、八千代(やちよ)っていうの。よろしくー!」 そう言うと、弥生は八千代の手を取って腕を振り上げる。八千代は「離せ」と低い声でそう言うと、弥生の手を振りほどいた。 八千代は弥生と同じ金髪ではなく黒髪のぼさぼさの伸びきった頭、顔には黒縁メガネをかけていて、弥生のようなフレンドリーな雰囲気が感じられなかった。 ……双子のわりに、二人はあまり似ていないな。 そんなことを思いながら弥生のほうに目を向けると、弥生と目が合った。弥生はニコッと笑いこう言った。 「僕たち二卵性だから!」 「!?」 心を読まれた!? まさかな…… ありえない、と俺は弥生を見た。弥生は、先程と変わらずニッコリと笑顔を見せるだけで、何を考えているのかは表情で読み取ることはできない。 なんとなくだが、悔しい気にもなった。はぁ。 「あれ? でも私服ってことは、うちの学校の生徒ではないようだね」 たしかに。八千代はTシャツにジーンズというわりとラフな格好をしている。 「……細かいことはおいといて、部室に入れ」 面倒くさい、と八千代は背を向けて部室の奥へと歩いていく。 「逃げたな」 「……おまえがツッコミすぎなんだよ。あれが普通の人の反応」 「なんだよそれ?」 「つまりは、おまえが変わり者だということだ」 「な、そういう深堀もだろ!?」 「二人とも!」と、腰に手をつき弥生が俺たちの前で仁王立ちする。 険しい表情になったかと思えば、弥生はすぐにまたニコッと笑う。 「部活、始めよう!」
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