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実質生け贄にされた凸凹バッテリー。
爽やかな笑顔と視線が重なり。二人は恐怖のあまり顔がみるみるうちに青ざめ、頬に一筋の冷や汗をかいた。
試合とは別の意味で危機的状況なのを彼らは心から悟る。
というか勝敗関係無しに この試合が終わってからが恐ろしい。
「…‥ふひ」
声のような息のような意味不明な何かを捕手は漏らすと絞めていた首を緩め、投手が鼻フックで突っ込んでいた指をスポンと抜く、そしてお互いに肩を組み、外野に向かって満面の笑みで仲良しのポーズをアピールした。
そして、すぐさま。
「スクイズ警戒? 初球は外すか」
「可能性は低いな。向こうさん今大会チャンスは全部ヒッティングにまわしてる」
グローブとミットで口元を隠し、真剣な面もちで作戦を練る。
「やっぱり息ピッタリだよね、2人はさ」
「そーか…‥?」
「まあ、薄目で見れば微笑ましくも…‥あ、駄目だハブとマングースっぽくなった」
サードがニコニコしながら呟いても、誰一人として同意はしない。
レフトによる叱咤激励(?)が功をそうして、程良い緊張感が男達の周りを包み込んだ。
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