おぼろげな記憶

2/2
前へ
/12ページ
次へ
ザァァァァア 川の――――水の、流れる音の勢いが増していく。 水面(ミナモ)には雨音も加わり始め、 空は黒くよどみ、遠くの空では稲光が怪しげに光を放っていた。 「お父さん、やめて!!!やめてーーーーーー!!!」 ザァァァァアアアアアア 川にかかった、頼りなさそうに揺れる吊橋からは、少女の悲痛な叫び声が聴こえた。 少女の心からの叫びは、父と呼ばれた男には届かず、 男は 『なにか』を 川へと投げ捨てた―――――
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加