chapter1 かごめかごめ

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「あやめは、卒業後どうするの? まだ目標探し中?」 「うん。まだ見つからないんだよ」 あやめが少し俯いて、ふうと嘆息する。 「みんな、すごいよね」 あやめは顎の下に手を当てた。 「すごい?」 「だって、一緒に同じ授業を受けてさ、夕暮れまで遊んだりしていたんだよ。 急に進路とか、夢を見つけられちゃうなんて、びっくりだもん」 あやめは、ぷいと口を尖らせて、そのままこちらを向いた。 「まだ時間もあるし、じっくり考えればいいんじゃないかな」 「うん。でも嫌だよ、おいてけぼりは」 「僕が立派なカメラマンになったら、村に迎えに来るよ」 「何言ってるの。私だってちゃんと見つけるよ、目標っ」 両手をギュッと握り、また膨らんだあやめの頬は、さっき沈んだ夕陽のように赤味を帯びていた。
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