chapter1 かごめかごめ

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「あ、そろそろ行かないと。約束、遅れちゃうね」 あやめは、丘の向こうに見える坂道へ顔を向ける。 「そだね、行こう」 今日は日没後、卒業生5人で集まる約束をしていた。 「んとさ、玄助も、やっぱりちょっと気が進まない?」 「そうだね。どうしてあの場所に集まるのかと思うとね」 「だよね。守人(もりと)くんには、何か考えがあるのかなぁ」 僕とあやめは、発案者である守人が決めた集合場所に疑問を感じていた。 集合場所は僕達の思い出の場所。 だけど僕達同級生が5人組ではなく、 “6人組”だった頃の思い出の場所だったから。
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