chapter1 かごめかごめ

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「本っ当、玄助(くろすけ)好きだよね? カ・メ・ラ」 幼馴染みのあやめが、ため息混じりの声を上げた。 夕陽に染まる村を収めていたレンズから目を離すと、彼女は頬を膨らませている。 「もう」と後ろを向いた彼女の橙色の浴衣が、光輝(こうき)を放つ夕陽によく映えていた。 高校生最後の夏祭り、僕達は思い出作りに、子供の頃よく登った丘から夕陽を眺めている。 「あやめ、こっちを向いて」 僕は、ふり返った彼女へ向けてシャッターを切った。
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