chapter1 かごめかごめ

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「夕陽が沈む瞬間を見たくて来たんだよ? 玄助、こっち来て。ぜんぶ沈んじゃう前に2人で撮るから」 あやめは、僕の肩を掴んで横に並ぶと右手を伸ばしてカメラのシャッターを切る。 父譲りのこのカメラはフィルム式のもの、だから自分撮りしてもすぐ確認できないのだけど……。 「あれ、玄助。頬が赤いよ?」 あやめは、いたずらっ子のような笑みを浮かべた。 「夕陽のせいじゃないか?」 「そう? もう沈んじゃってるよ?」 僕とあやめは、所謂(いわゆる)幼馴染みだ。
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