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次々と薙ぎ倒して行き、ナイフが風兎の下まで戻ってくる頃には全ての獣竜が地に伏していた。
ハァハァと肩で息をする柚の肩をポンと叩くと、優しく語りかける。
「任務完了だ、帰るぞ」
「……ハイ」
疲れた表情をする柚を見た風兎は肩に置いた手を頭に移し、そのまま抱き寄せる。
「お疲れ様」
「……ど、どうしたんです突然」
戸惑いを見せる柚だが、抵抗は決してしなかった。
背の高い柚は男性といることがコンプレックスだった。
しかし、風兎はそれを感じさせない。
柚よりも更に頭一つ分高いからだった。
「帰ろう」
風兎は再び、優しい笑みを見せた。
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