2人が本棚に入れています
本棚に追加
* ー * ー *
報酬を受け取るその日、いくら待っても風兎はロードランナー協会本部に来なかった。
体調を崩したのだろうか、柚はそう思い連絡してみるが虚しく電子音のみが返ってくる。
幸い風兎の家は分かる。
報酬を受け取って届けよう、そういう考えに至る。
二人で参加したため報酬は二等分する、それが毎回の恒例になっていた。
仕方なく柚は任務成功の報告を一人で済ませることにした。
しかし、そこでの返事は柚の考えを困惑させることしかなかった。
「御門さん……っと。おぉ、これは凄い!
お一人で獣竜100頭討伐に成功なさったんですね!しかも実質討伐数は200近い!
依頼主様からプラス報酬がついています」
柚は任務管理人の言葉に顔を顰めると、聞き返す。
「一人? いや、そんなはずはねぇぞ」
「いいえ、御門さんはお一人で申請なされてますよ?」
そう言った管理人は報酬を柚に手渡し、お疲れ様でした、と頭を下げる。
最初のコメントを投稿しよう!