ワスレモノ

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おかしい、そう思った柚はハッとする。 そういえば風兎の様子がおかしかった気がしないでもない。 自分たちは恋人同士だというのに、任務完了後はやけに素っ気なかった。 柚は報酬を抱きかかえ、風兎の家へと急ぐ。 息を切らして走る。 なぜか頬に暖かい何かが伝う。 もう嫌だ。 自分の周りから誰かがいなくなるなんて。 何故私ばかり。 誰も、失いたくないのに。
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