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彼女が大学を卒業して少し経ち、季節は秋。
少し涼しくなって来て外を見渡せば木々は赤や黄色に染まってきている。
街の雰囲気も秋っぽく模様替えされ虫も減り、静かで暖かな街へと変わった。
ここは公園や駄菓子屋、木造の建物など昔を連想させるような町並みで、どちらかと言うと田舎に位置する場所だ。
そんなカラフルな街のど真ん中には、まるで別世界にあるようなとても高くそびえ立つ白い建物が。
その建物はこの辺の街では1番有名と言われているほどの会社、ARMコーポレーションだ。
「ライ、私もそろそろ働かなくちゃね」
その建物を見つめ呟いたのは、大きな犬を連れた小柄な一人の少女。
強い風が彼女の髪をなびかせた。
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